【現場で信頼される薬剤師に!】医師・看護師とのコミュニケーションのコツ
病院薬剤師として働いていると、医師や看護師との「チーム医療」の一員として協力する場面が日常的にあります。しかし、新人のうちは「話しかけづらい…」「何を伝えればいいのか分からない」と戸惑うことも多いのではないでしょうか?
この記事では、新人薬剤師や薬学生が現場で医師・看護師とスムーズにコミュニケーションを取るためのコツを、私の実体験も交えてお伝えします。
【ご注意】
本記事は、新人薬剤師および薬学生向けに作成された内容です。
医療関係者を対象とした情報を含んでおり、一般の方(患者さんなど)を対象としたものではありません。
ご自身の治療や服薬に関するご不明点は、必ず主治医や薬剤師にご相談ください。
1. 挨拶・自己紹介は「最初が勝負」
まずは基本中の基本、挨拶と自己紹介です。
「○○病棟担当の薬剤部の○○です。よろしくお願いします」と、はっきりと名乗ること。
新人のうちは、自分が“誰か分からない状態”が多いため、しっかり名乗って印象づけることが信頼への第一歩になります。
また、1回限りでなく、顔を合わせたときには毎回挨拶することが大切です。挨拶ができるだけで、「感じの良い人」という印象を持ってもらいやすくなります。
2. 忙しさを「読む力」を身につけよう
医師や看護師は常に忙しく、特に急変時や申し送り時間などは非常にピリピリしています。
そんなときに話しかけてしまうと、「今じゃない!」という反応をされてしまうことも…。
そこでおすすめなのが、「今、この人は話を聞ける状態か?」を観察するクセをつけること。
- どれくらいのタスクを抱えていそうか
- 今の時間帯の業務量はどれくらいか
- ここに座って作業しているときは大丈夫そう
といったことをチェックしておいて、「今いける」と判断したら、なるべく簡潔に用件を伝えましょう。
3. 伝えるときは「結論から」「簡潔に」
現場ではスピードが求められます。薬剤師が情報を伝えるときは、最初に結論を伝えることが非常に重要です。
〈OK例〉
「○○さんの抗菌薬、クレアチニンクリアランスを考慮すると減量が必要です。○○mg→○○mgに変更するご提案です」
ダラダラと経緯から話すのではなく、「何を伝えたいのか」「どうしてそう判断したか」を端的にまとめると、相手も受け取りやすくなります。
4. 「助けてもらったら、必ずお礼」を習慣に
ちょっとしたことでも看護師さんや医師に助けてもらったら、「ありがとうございました」の一言を忘れずに。
お礼を言うことで、次回も気持ちよく協力してもらえる関係が築けます。
逆に、「やってもらって当然」という態度だと、距離を置かれてしまうことも…。
相手の立場に立つ思いやりを持つことが、コミュニケーションの土台になります。
5. 雑談も大事なスキル
あまり知られていませんが、現場では雑談も重要なコミュニケーションツールです。
「最近忙しいですね」「あの患者さん、だいぶ元気になりましたね」など、何気ない一言がきっかけで関係がぐっと近くなることがあります。
もちろん、忙しいタイミングを避ける必要がありますが、業務に直接関係のない話も“人間関係の潤滑油”として大切です。
6. 伝えるだけでなく、「聴く姿勢」も大切
一方的に話すのではなく、相手の話を聴く姿勢も非常に重要です。
相手が話しているときは、うなずきながら目を見て聞く。「なるほど」「分かりました」と返す。
このような“聴き方”ができると、「この人は話しやすい」と感じてもらえます。
まとめ:信頼される薬剤師は「話し方」と「姿勢」が大切
コミュニケーションのコツは、決して特別なスキルではありません。
相手の立場を思いやること、丁寧に、簡潔に伝えること、毎日の挨拶を欠かさないこと——それだけで、現場の雰囲気はぐっと変わります。
チーム医療は“人”が支えるもの。
少しずつでも、関係性を築いていく努力が、信頼される薬剤師への第一歩になります。